尊敬できる人がいる人生は、きっと豊かになる

「あなたの会社には、尊敬できる人がいますか?」

ある日の会社の朝礼で、そんな話になりました。

その質問を聞いた瞬間、僕の頭の中には、

「この会社には、尊敬できる人はいないな……」

そんな思いが浮かびました。

でも、少し時間が経ってから、ふと思ったんです。

「いや、待てよ。本当にそうなのか?」

そもそも僕は、その人たちのことをどれくらい知っているんだろう。

仕事をしている姿。

誰かと話している姿。

普段のちょっとした態度。

僕が見ているのは、その人のほんの一部分だけです。

その人が家ではどんな人なのか。

これまでどんな苦労をしてきたのか。

どんな努力をして今の仕事をしているのか。

何を大切にして生きているのか。

どんな失敗を乗り越えてきたのか。

そんなことを、僕はほとんど知りません。

それなのに、

「この人は尊敬できない」

と決めつけてしまっていいのだろうか?

そう考えると、ちょっと怖くなりました。

 

そもそも「尊敬する」って何だろう?

「尊敬」という言葉を考えてみると、単純に「すごい人を認める」ということではないような気がします。

仕事ができる。

頭がいい。

役職が高い。

お金を持っている。

有名である。

もちろん、そういうことも尊敬する理由になるでしょう。

でも、本当の尊敬って、それだけではないと思うんです。

たとえば、

誰も見ていないところでも努力している人。

失敗しても人のせいにしない人。

約束を守る人。

人によって態度を変えない人。

困っている人に自然と手を差し伸べられる人。

自分の間違いを素直に認められる人。

家族を大切にしている人。

苦しいことがあっても、前を向いて生きている人。

そんな人を見たとき、

「この人、すごいな」

「自分もこうなりたいな」

と思う。

それも立派な「尊敬」なのではないでしょうか。

つまり尊敬とは、

「その人の何かを、自分も見習いたいと思うこと」

なのかもしれません。

 

人を知らなければ、本当の評価はできない

今回の朝礼で、僕が一番考えさせられたのはここでした。

人は、見えている部分だけでは分からない。

これは会社だけの話ではありません。

友人でも、家族でも、近所の人でも同じです。

「あの人は感じが悪い」

「あの人は何もしていない」

「あの人は苦手だ」

そう思っていた人が、実は人には言えない事情を抱えていた。

誰にも見られないところで努力していた。

過去に大きな苦労を乗り越えていた。

そんなことだってあります。

人間はどうしても、自分から見える一面だけで相手を判断してしまいます。

だからこそ、

「自分は、この人の何を知っているんだろう?

と一度問いかけてみることが大切なのだと思います。

知らないから尊敬できないのではなく、

知らないから、まだ尊敬できる部分を見つけられていないだけかもしれない。

そう考えると、人の見方が少し変わってきます。

 

尊敬できる人がいると、自分も成長できる

では、尊敬できる人が身近にいると、何が良いのでしょうか。

僕は一番のメリットは、

自分の成長につながること」

だと思います。

「あの人みたいになりたい」

「あの人のように考えられるようになりたい」

「あの人の仕事への姿勢を見習いたい」

そう思える人がいると、自分の中に目標ができます。

そして、人は目標があると行動が変わります。

尊敬する人の言葉を覚えていたり、仕事への姿勢を真似してみたり、困難なときに「あの人ならどうするだろう?」と考えてみたりする。

それだけでも、自分自身が少しずつ変わっていく。

だから、

尊敬できる人がいるということは、自分を成長させてくれる先生が身近にいるようなものなのかもしれません。

尊敬する人は、一人でなくてもいい

そして、もう一つ大切なのは、

「この人を全部尊敬しなければいけない」

と思わなくてもいいということです。

人間は完璧ではありません。

仕事はすごいけれど、人付き合いは苦手。

優しいけれど、少し時間にルーズ。

考え方は尊敬できるけれど、自分とは性格が合わない。

そんなこともあります。

だから、

「この人のここは尊敬できる」

という部分を見つければいい。

一人の人間から全部を学ぶ必要はありません。

仕事はAさん。

人への接し方はBさん。

考え方はCさん。

生き方はDさん。

そんなふうに、いろいろな人から良いところを見つけて、自分の中に取り入れていけばいいのです。

 

「尊敬できる人はいますか?」という問い

朝礼で何気なく出てきた、

「尊敬できる人はいますか?」

という質問。

最初は「いない」と思った僕ですが、今は少し答えが変わりました。

「自分はまだ、その人のことを十分に知らないだけかもしれない」

そう思えるようになったからです。

人を見る目が変われば、世界の見え方も変わります。

嫌いだと思っていた人の中に、実は尊敬できる部分があるかもしれない。

苦手だと思っていた人から、学べることがあるかもしれない。

そして何より、

「自分もこんな人になりたい」

と思える人に出会えたら、それは人生にとって大きな財産になります。

だから、これからは人を見るときに、こんな問いを持っていたいと思います。

「この人の、まだ私が知らない素晴らしいところは何だろう?」

そうやって人を見ることができたら、今までとは違う景色が見えてくるかもしれません。

尊敬できる人を探すことは、

誰かの良いところを探すこと。

そして実は、

自分自身の成長する場所を探すことなのかもしれません。

人生は、考え方で楽しくなる。

人の見方を少し変えるだけでも、人生はもっと面白くなるのではないでしょうか。