「言葉の曖昧さは、仕事の曖昧さにつながる」

以前、こんな言葉を目にしました。

最初に読んだ時、私は「確かにそうだな」と思いました。

そして、少し考えているうちに、こんなことを思ったのです。

言葉の曖昧さは、仕事の曖昧さにつながるだけではない。人生そのものの曖昧さにもつながるのではないか。

私たちは毎日、言葉を使って生きています。

誰かと話す時。

自分の気持ちを伝える時。

仕事の指示をする時。

そして、自分自身に何かを問いかける時も、私たちは言葉を使っています。

つまり言葉とは、ただ人と会話するための道具ではありません。

言葉は、自分の考えを形にする道具でもあるのです。

だからこそ、使う言葉が曖昧になれば、考えも曖昧になっていきます。

そして考えが曖昧になれば、行動も曖昧になってしまうのではないでしょうか。

 

「ちゃんとやっておいて」は、本当に伝わっているのか?

例えば、仕事で部下や同僚に、

「これ、ちゃんとやっておいて」

と言ったとします。

しかし、「ちゃんと」とは、具体的にどういうことでしょうか。

今日中に終わらせることなのか。

間違いがないように確認することなのか。

お客様に見やすいようにすることなのか。

言った人と、聞いた人では、「ちゃんと」の意味が違っているかもしれません。

すると、仕事が終わった後に、

「そういう意味じゃなかった」

ということが起こります。

でも、考えてみれば、それは相手が悪いのでしょうか。

もしかすると、自分の言葉が足りなかっただけかもしれません。

「いつまでに」

「何を」

「どのように」

「どの程度まで」

ここを具体的に伝えるだけで、仕事の結果は大きく変わります。

言葉が正確になることで、相手との認識のズレが少なくなるからです。

仕事ができる人は、特別な能力を持っている人だけではありません。

自分の考えていることを、相手に正確に伝えられる人。

そんな人も、仕事ができる人なのだと思います。

 

曖昧な言葉は、曖昧な人生をつくる

これは、仕事だけの話ではありません。

私たちは、自分の人生について考える時にも、曖昧な言葉を使ってしまうことがあります。

「いつか成功したい」

「もっと幸せになりたい」

「そのうち頑張りたい」

「何か変わりたい」

どれも間違った言葉ではありません。

しかし、少し曖昧です。

「成功したい」とは、何を成功と考えているのでしょうか。

収入を増やすことなのか。

好きな仕事をすることなのか。

家族と穏やかに暮らすことなのか。

「幸せになりたい」と言っても、人によって幸せの形は違います。

自分が本当に求めているものが分からないままでは、どこに向かって歩けばいいのかも分かりません。

目的地を決めずに車を走らせても、どこに向かっているのか分からなくなります。

人生も、少し似ているように思います。

もちろん、人生は計画通りに進むものではありません。

予想もしなかった出来事が起こることもあります。

予定を変更しなければならない時もあります。

しかし、だからといって何も考えず、曖昧なまま進むのと、自分が何を望んでいるのかを考えながら進むのでは、大きな違いがあります。

自分の人生を言葉にすることは、自分の人生の方向を確認することなのです。

 

「頑張る」を具体的にしてみる

例えば、「これからもっと頑張る」と決めたとします。

気持ちは素晴らしいことです。

でも、「頑張る」だけでは、明日になれば何をすればいいのか分からなくなってしまいます。

そこで、少し言葉を変えてみます。

「毎日30分、本を読む」

「今年中に新しい資格の勉強を始める」

「家族に感謝の言葉を伝える」

「今月中に、一つ新しいことに挑戦する」

こうすると、急に行動が見えてきます。

曖昧だった「頑張る」が、具体的な行動に変わります。

言葉が変わると、考えが変わる。

考えが変わると、行動が変わる。

そして、行動が変われば、人生も少しずつ変わっていきます。

人生を大きく変えるのは、いつも特別な出来事とは限りません。

毎日の小さな行動の積み重ねです。

そして、その最初の一歩になるのが、「自分の気持ちを正確な言葉にすること」なのかもしれません。

 

言葉を正確にすると、見えてくるものがある

自分が今、何に悩んでいるのか。

何が不安なのか。

本当は何をしたいのか。

誰に感謝しているのか。

誰に何を伝えたいのか。

一度、言葉にしてみると、自分の心の中が少し整理されます。

頭の中でぼんやり考えているだけでは、気づかなかったことが見えてくることもあります。

「自分はこんなことを考えていたのか」

「本当に欲しかったものは、これだったのか」

そんな発見があるかもしれません。

言葉にするということは、自分自身と向き合うことでもあります。

だから、私は思います。

言葉を大切にすることは、人生を大切にすることなのだと。

曖昧な言葉で仕事をすると、曖昧な結果になることがあります。

曖昧な気持ちのまま人生を歩けば、自分がどこに向かっているのか分からなくなることがあります。

だからこそ、ときどき自分に問いかけてみたいものです。

「自分は、本当はどうなりたいのか?」

「何を大切にして生きたいのか?」

「今日、何をするのか?」

その答えを、できるだけ具体的な言葉にしてみる。

すぐに人生が変わるわけではないかもしれません。

しかし、人生を変えるための最初の一歩は、案外そんなところにあるのかもしれません。

言葉が曖昧なら、考えも曖昧になる。

考えが曖昧なら、行動も曖昧になる。

そして、曖昧な行動を続けていれば、人生の方向さえも見失ってしまうかもしれません。

だから今日から、少しだけ言葉を大切にしてみませんか。

「いつか」ではなく、「いつやるのか」。

「頑張る」ではなく、「何をするのか」。

「幸せになりたい」ではなく、「自分にとっての幸せとは何なのか」。

言葉を正確にすることは、人生を正確に生きることにつながっていく。

私はそう思います。

あなたが今日、自分にかける言葉が、明日のあなたの人生を少し変えるかもしれません。

だからこそ、言葉を大切に。

そして、自分自身にかける言葉こそ、曖昧にせず、心を込めて選んでいきたいものです。